タイガーと呼ばれた子
トリイは当初、 『シーラという子』 の続編を書きたいとは思っていませんでした。 『シーラという子』が出版されたとき、編集担当者は、トリイの教室を出た後のシーラの人生はとても過酷なものだろうから、これ以上は黙して語らないほうがいいと考えていました。トリイも 『シーラという子』を追い続けるのは難しいだろうと感じていました。なぜなら、 『シーラという子』は「一種のおとぎ話のようなもの」で、読者に、「その後も幸せに暮らしました」という印象を残したからです。続編によって、「現実の人生がいやと言うほど如実になる」のです。
トリイが重い腰を上げて『タイガーと呼ばれた子』でシーラからの挑戦について書いたとき、シーラは絶対書かないと思ってたと言って冷やかしました。