ノンフィクション、初版1995年
トリイ・ヘイデンが、処女作 『シーラという子』 に感動の続編を書き上げました
トリイが初めてシーラと会ったとき、シーラは口を利こうとしなかった。唯一の意思表示といえば、破壊的で荒々しい行動だけだった。
5ヶ月に及ぶ必死の取組の結果、トリイはシーラの殻を壊すことに成功し、彼女を普通学級に入れる戦いにも成功した。
シーラが13歳になるまで、トリイが再び彼女と会うことはなかった。トリイが驚愕したことに、シーラは共に過ごした特別な日々のことをほとんど覚えていなかった。トリイがティーンエージャーとなったシーラとの関係を温め直そうとするうちに、記憶が徐々によみがえり、2人には見捨てられた敵愾心の感情がもたらされる。
『タイガーと呼ばれた子』がやや暗い響きを持っているのは、シーラの人生が必ずしも明るくさわやかなものではないからである。それにもかかわらず、驚くほど気持ちが高揚するのは、シーラの話が忍耐強さのそれだからだ。ページをめくるたびに、読者は次はどうなるのだろうと思いを巡らせ、シーラとトリイの両方に最高の結末を期待してしまう。
メイ・ウッズ・ベル − ステーシー・マッカーサー
執筆秘話
トリイは当初、 『シーラという子』 の続編を書きたいとは思っていませんでした。 『シーラという子』が出版されたとき、編集担当者は、トリイの教室を出た後のシーラの人生はとても過酷なものだろうから、これ以上は黙して語らないほうがいいと考えていました。トリイも 『シーラという子』を追い続けるのは難しいだろうと感じていました。なぜなら、 『シーラという子』は「一種のおとぎ話のようなもの」で、読者に、「その後も幸せに暮らしました」という印象を残したからです。続編によって、「現実の人生がいやと言うほど如実になる」のです。
トリイが重い腰を上げて『タイガーと呼ばれた子』でシーラからの挑戦について書いたとき、シーラは絶対書かないと思ってたと言って冷やかしました。
あの人はいま
シーラから一言。「『タイガーと呼ばれた子』のほうが好き。人間、正直じゃなくちゃ
ヒューは現在50代です。いまでも独身で、子どももいません。いまはカナダに在住しています。
ざっとこれまでの人生を話せばいいんだろう? 任せろ、トリイ。やあ、みなさん。ぼくはトリイとは結婚していません。みんなはそう想像していたでしょうけど。今は独身です。1度でこりごりしました。本の中でトリイが書かなかったことは、ぼくが先住アメリカ人だってことです。10年ほど前に自分の文化的伝統を認めることができるようになってきて、それで、都会の生活とはおさらばしました。いまでは、土着の信仰を支えるのを専門にしている小さな研究所で、無薬治療について教えています。だから、本当に美しい景色に囲まれていい人生を過ごしています。これ以上欲張ったら罰が当たるよ。
ジェフはもう50代です。いまでもカリフォルニアに住んでいて、精神科医としての仕事を続けています。
ぼくのその後に興味を持ってくれるみなさん、どうもありがとう。トリイとぼくは、はらはらどきどきした期間を共にしました。面白いことずくめで笑ってばかりいました。トリイのユーモアのセンスがぼくのあの数年間を変えてくれたのです。ぼくはあれからも充実して有意義な年月を過ごしてきましたが、あのときほど笑ったことはありません。
ぼくは結構いい人生を送ってきました。相棒のビルとは共白髪の仲で、チャールズという10歳になる養子を育てています。職業という点では変化があり、社会病質者や重度の精神異常者に取り組むようになりました。大変な仕事ですが、満足感も負けず劣らず大きいです。
みなさんがトリイのウェブサイトを楽しんでくれますように。ざっと目を通しましたが、彼女と過ごした日々に戻ったような気分になりました。トリイの書き方はまさに彼女の話し方そのものです。だから、これはトリイそのものです。どうぞ楽しんでください。
関連書 − 『シーラという子』
トリイ・ヘイデンの感動を呼ぶ処女作
そして シーラの詩
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